~ 続 ~

2019年7月4日

村上春樹を語るイベントをやることになり、

「その時がきたか」とついに読んだのが、

 

ノルウェイの森

 

これまで、この作品にだけは手を付けなかった。

正確に言えば「読みたくなかった」のだ。

 

 

 

自分はここ数年前まで村上春樹を「読まず嫌い」だった。

その理由がこの「ノルウェイの森」だ。

 

 

発売は自分が小学生の頃。

読書に全く無縁な実家の本棚にいつしか、やたら目立つ赤と緑の本が二冊、並んでいるのを見つけた。

その二冊だけとても滑稽に見えたのだけを覚えている。

 

中学生の頃だっただろうか。

それが村上春樹という有名な作家の有名な作品だと知ったのは。

 

だからと言って興味は沸かなかった。

雑誌しか入っていない本棚の隅に既に忘れ去られたように入ってる小説など、

「一時のブームに流されたミーハーな人間だけが読むようなくだらない小説なんだろう」

と、自分では一切手に取ることはなかった。

 

それからというもの、本屋で村上春樹の新作が積まれているのを見る度に、

実家の本棚にある「ノルウェイの森」の赤と緑を思い出した。

 

同時に誰に対してか分からない嫌悪感のようなものを抱いた。

そしてそれは「村上春樹は絶対に読まない」という、

何とも傲慢でエゴな感情へと変化していた。

 

 

それが数年前。

ふと、「読んでみよう」と、180度、意識が切り替わったのだ。

 

何故か。

 

今思えばだが、

色々とあって実家との関係に一定の距離が出来たことがきっかけのような気がする。

 

同時にあの本棚の赤と緑への嫌悪感が薄れたのだろうか。

ただ、

まだあの赤と緑だけは読みたい気持ちになれないのは変わっていなかった。

だからまず比較的最近の作品「1Q84」を選んだのが始まり。

それが村上春樹世界への侵入経緯だ。

 

 

そこから文字通りその世界からなかなか抜け出せずに読み漁ったが、

やはり「ノルウェイの森」だけは読まずにいた。

 

今回、村上春樹のイベントをやろうと思い立ったことで違う扉が開いたのかもしれない。

もしくはまた意識の中で何かが切り替わったのか。

あまり深く考えずに、素直に読み始めた。

 

 

読了。

 

ふうむ。(村上春樹風)

自分の中ではこれまで読んだ作品の中で一番入り込むことができなかった。

 

もちろん深読みしていけばとても複雑で、村上春樹ワールドがちりばめられているが、

何だか自分には全体が青臭く感じてしまった。

 

「村上春樹は嫌い」「受け付けない」という人の意味が初めて少し理解出来た気がした。

 

文体の成熟度合いがどうこうという意味ではなく、

自分も40代に入り、ある程度成熟した心と経験値を得たからだろうか。

 

主人公と同じ年代の20代に頃に読んでいたら、もっと世界に入り込めたのかもしれない。

どうも今の自分には登場人物の若い感性がフィットしてこなかった。

 

そして気が付いた。

「ノルウェイの森」が自分にとって村上春樹への「入り口」であり、

そして、「出口」でもあったのだ。

 

しかしまだそこから出るつもりもなかった。

だから間髪いれずに別の作品を読み始めた。

 

今回の作品はとても深く潜っていけている。

主人公が30代後半と、自分と意識が近いからだろうか。

またしばらく村上ワールドから抜け出せそうにない。

イベントにも良い感じで望めそうだ。

 

 

村上春樹風に言えば、

「入口があっても必ず出口から出れるとは限らない。

出口を探すにはそれなりの覚悟と勇気が必要なのだ」

 

て感じでしょか?

 

 

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